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DTP by Yuko Fukuma
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 以前、このコーナーで「知らなきゃまずい専門用語」というのをやりました。その時はあえて書籍の名称などの専門用語にはふれなかったのですが(範囲をある程度限定しないとキリがなくなってしまうのと、私自信あまり経験がなかったので)ここ最近書籍の仕事が増えてきて、いざ始めてみると「あれ?ここって何って呼ぶんだっけ?」と忘れてしまっている事が多く、これはまずいと自分自信の確認の意味でも、もう一度「知らなきゃまずい専門用語--書籍編」というのをやっていきたいと思います。
  今回はより分かりやすくする為に「Art Arc Book」という架空の書籍をもとに説明していきます。

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「知らなきゃまずい専門用語--書籍編(後半)」

 さて、それではこの「Art Arc Book」を開いて各名称を確認していきましょう。

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▲トンボはイメージがつきやすくする為につけている物で、実際の縮尺とは異なります。また入稿時には地を実寸サイズに3mmづつ足して使用します。

11)別丁(遊び紙)
 これは何の意味があってつけるのか、正直分からないのだが扉の前につける紙で、中面とは異なる紙を使用している場合もあり、その場合別丁と呼ぶらしい。いろいろな本を見ていると、9の扉を兼ねて使用しているものや、ないものもあった。本の予算やデザイン的意図でいろいろな場合があるようだ。
12)天
 本をたてた時、上にくる部分(この図の場合8の地と対象になる部分)
13)カバー(表紙)
 これは前回説明したが、表紙の保護が本来の役目で書店にならぶ時に本の顔となる重要な部分。特殊な加工したものや特色を使ったものなどデザインに工夫されているものが多い。ただの「表紙」と言うと、カバーではない本体をさすので注意。私は普段雑誌の仕事が多いのでついつい表1と表現してしまう。(一応通じます)
14)束
 本の厚さ。17の背幅はこの束によって決まる。本の企画の段階でページ数が確定し使用する中面の用紙を決めたら、束見本と呼ばれる本のダミーを印刷所に作ってもらう。これに合わせてカバーの製作を行うのが普通。カバーは折り加工される部分は多少ゆとりをもって設計しないと、実際まきつけたときにきつくなってしまったり、ねらった通りの仕上がりにならない事もあるので要注意だ。
15)カバー(裏表紙)
16)バーコード
 大きな出版者からの仕事の場合は大体このバーコードを裏表紙に入れる。これは流通時に書店や取次で書誌情報を正確に読み取るために必要なもので、この位置や配置、またまわりの白の取り方など様々な決まり事がある。つい最近ある本でいわゆる常識とされている以外のバーコードが本当に読み取れないのかという興味深い実験を行っている記事を読んだ。それによると今まで考えられていたものよりも、もっと自由度は高いようだが、実際の所何万部も印刷した後で使えないなんて事になったら、恐ろしい事になってしまうから、どうも消極的にならざるおえないのが現状。ここはしょうがないとあきらめないずいろいろとチャレンジしていきたい。
17)背表紙
 書店に並べられた時に、平積みしてもらえるとは限らない。また一定期間を過ぎると、本棚にたてて並べられる事が多いので、ここもまた第2の顔となる部分なのだ。棚にしまわれても、何の本なのか分かるようにしなくてはならない。
   
 

 

 以上が大まかな書籍の名称です。覚えられましたか?もちろんこれ以外にも沢山ありますので、分からない事がある時はすぐに調べる癖をつけたほうが良いと思います。
  この前、ある編集者がこのような名称を知っているのは常識で、メールやちょっとしたメモなんかで専門用語で漢字を間違えて使っていたりする人を見ると、「この人って素人なのかな?」と不安になると言っていました。もう何度も仕事をしている人だったら愛嬌で笑ってもらえるかもしれませんが、始めてお仕事をさせてもらう時なんかは印象がかなり悪くなるようで、そんな所で判断されてしまうのは恐ろしいと言いますか、しかしながら細部まで気をひきしめなければいけないなぁとつくづく感じる今日この頃です。。。

 

writer:Yuko Fukuma
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