Q1.4歳でピアノを始めたとの事ですが、音楽家以外で小さい頃からなりたかったものはありますか。 |
なんにでも興味を持つ方だったので、スチュワーデスさんを見ればスチュワーデスさんに、女優さんを見れば女優さんに興味を持っていました。でも演奏は物心がつく前からやっていたので、将来何になると考えるときに演奏家以外というのは考えたことがなかったです。
実際やっている途中でつらいし辞めたいと思ったこともあったけれど、今考えると辞めたいというよりは、その時どこかほかへ遊びに行きたいというレベルで、やっぱりこれ以外の仕事というのは考えたことはないですね。
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Q2.チェンバロに初めて触れた時、感じた思いはどんなものでしたか |
18歳の高校をもう卒業するかという時だったんですけれど、それまでにも授業でこの楽器について学んだり音を聴いていたりしていて不思議なものだなとは思っていたので、実際に触ってみた時もフーンこういうものなのか、という感じでした。ただガーンというものではなかったけれど、ジワジワと運命というかめぐり合いみたいなものを感じて、その日のうちにわたしはこれをやっていくんだなというのは心に決めていました。
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Q3.イメージを伝えたい、音色を感じてもらいたい、など自身の演奏を聴くオーディエンスに求めるものはどんなものですか。 |
生の演奏会であれば実際そこに自分がいるので、オーディエンスの方にも音を中心として表情やしぐさなど五感で感じて、共鳴したり同じ周波数を感じたりして欲しいです。CDであればそれはケースバイケースですね。お料理をしながら気軽に聴いてもらってもいいし、悲しい曲を聴いて涙してもらうのもいいですし、演奏にひたってもらうのもいいですね。でもBGMとして聴いていたのに気づいたら音楽に入っていたという感じで聴いてもらえるのはやっぱり嬉しいですね。
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Q4.同上の質問で、他の人の演奏を聴くときに求めるものはなんですか。美術や映像など音楽以外の文化ではどうですか。 |
それが音楽でも絵画や美術品でも自分が一番望むのは、その場にいることすら忘れさせてくれるくらいに、我をも忘れさせてくれるくらいにして欲しいということです。はっと気づいたら入ってしまっていたという位になりたいので、それらを鑑賞する際に余計な先入観をあまり入れたくないですね。
作品が作られた時の時代背景や作者の環境など勉強しておくべき客観的な事実なのであれば、知っておくと逆に作品の厚みも増すかもしれないけれど、それ以外のこうあるべきだったのにとか評論家の人の主観的な感想などは、出来ればなしで鑑賞したいです。
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Q5.「引き込んで聴かせる」や「自分が楽しむ」の様なコンセプト的なものから「練習は最低これだけはやる」のような物理的なものまで、演奏という形での表現で「これだけは絶対」という様なルールはありますか。 |
その時の流れやアイデアで決めるようにしています。一人でやっているので何か決めてしまうとそれが絶対になってしまって、逆に怖いです。高校生の頃は、このハンカチは絶対にもっていくとかを決めていたこともありましたけど、それで失敗したりして逆にそれに縛られている自分が怖くなって、そういったルールというかジンクスなどはやめました。
しいて言えば練習は納得できるまでやること、具体的なところでは熱いお湯で手を洗うと筋肉が収縮と聞いたのでそれを避けているとかそれくらいかな。あと練習する時はかならず舞台をイメージしてやるようにしています。それと演奏会に来てくれた人にはできるだけ全員の人が満足してもらえるように心がけています。でも実際お客様全員が全てのプログラムでというのはなかなか難しいんですけどね(笑)。
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