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akatsuka gatsuo Vol.8 Gatsuo Aktsuka
  大きなプロジェクトや有名な企画、作品などの周りには「あれは自分がやった」という人が多数いる。
多くの人数で行われているプロジェクトなどであれば当然のことだが、そういった場合具体的に何をやったのかを良く聞いてみると、ものによっては実は偶然その場に居ただけというレベルで「自分がやった」というのはちょっと大袈裟だろうと思ってしまうことがよくある。

そんな中で本当にその台詞を言う権利があるのがディレクターだろう。
「ディレクター」という単語の直訳は監督という言葉になるが、その意味自体は使われる業界や環境によってまちまちだ。しかし一つだけ全てに共通しているのは、誰かが監督という役職ついた場合、どの業界のプロジェクトであっても、そして内容が良いものでも悪いものでも、失敗の責任と成功の功績がほぼその人独りのものとして周りに認識されるという点である。
野球で優勝すれば胴上げされるのはまず監督であり、映画が何かの賞を取ればCGやカメラを担当しているのが誰であれ、一番評価されるのは監督である。逆に失敗した時も「あの監督のチームが優勝できなかった」となったり「あの監督の作品が失敗した」などと言われたりする。そのプロジェクトの芯となるのがディレクターである。

今回は元々カルト的テクノカルチャー誌「zavtone」のグラフィックデザイナーから独立し、現在はデジタル系のクリエイティブディレクターとして活躍中の赤塚がつを氏にインタビューを試みた。

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Q1.現在一番力を入れている分野を教えてください。
WEBデザインも手がけるし紙のグラフィックもやります。CDのジャケットなんかは最近自由制作もできることが多くなってきたので結構楽しいです。ただ今一番力を入れているのは映像ですね。「ビガロ」という月刊のビデオマガジンを発行し始めて、とりあえずはVHSというメディアで販売しているし場所も限られたところなのですが、今後はメディアもDVDにしたり流通にものせていきたいと思っています。
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Q2.子供時代からクリエイティブなことに興味を持っていましたか?それはどんな内容でしたか。
小学生の頃なりたいものとかは特になかったですね。背がその頃から170cm以上あって大きかったぐらいかな。関係ないけど(笑)。高校生位からは日本語に興味をもちはじめて、その頃は日本語学者になりたかったですね。その研究なんかをしたかったので、大学の教授になりたかったです。なんか大学の教授ってずっと好きな研究ばかりしているイメージがあったので。
それが正しいかどうかは別として、実際に大学に入ったら一般教養とかまったく興味の持てない勉強が多くて失望してしまって、そのあたりからバンドをやったりグラフィックデザインのアシスタントをバイトでやったりして少しずつクリエイティブの道に入りました。
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Q3.クリエイティブを仕事にした時の良さと辛さはどんなところですか。
実際に仕事にしてみた時の良い点と悪い点は、同じなんですけど常に仕事をしているという部分ですね。無理やり今日は休み、と決めてみてもじゃあ何をやるかと言ったら結局美術館に行ったりギャラリーに行ったり仕事の糧になるようなことばかりだし、寝るときと食べるとき意外は全て仕事、というイメージになりますね。
でもよく好きなことは仕事にできないって言いますが、それは職種によるんだと思いますよ。魚を触るのがとにかく好きだっていう人が魚屋さんをやったらそれは凄く幸せだろうし。まあ自分は食べるためにはクリエイティブしかできないんで、純粋に他とあまり比べたことがないだけかも知れないですね。
Q4.現在までの簡単な流れを教えてください。
大学に入ってからバンドをやっていて、それと平行してニューズベース社でグラフィックデザインのアシスタントのバイトをしていました。そこには7年いたのかな。そこでは当時WEBができる人間がほぼ自分しかいないような状況だったので、立場以上のこともいろいろとやらせてもらって大変だったけど楽しかったですね。そして数年前に独立して今はプロジェクトごとのユニットを組んでやっています。
力を入れているのは映像なんですけど実際収入としてはWEBや紙のデザインなんかの部分も多いですね。でも最近はもう自分で制作を直接やるというよりは、ディレクターとしてたくさんの人が作るものをまとめたりとか、それでメディアを作り出したりとかそういった方向になってきましたし、手がける範囲を広げるためにも、もっともっとそういう方向にしていきたいですね。

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Q5.クリエイティブにあたって「これは絶対」というような自分のルールはありますか。
何かを作るときはまず座って完全な完成形のイメージを描いてから作り始めます。半端な状況でPCの前に座ってしまうと、なんとなく「その時使っているソフトができること」が作品になってしまうのであまりよくないですね。これは訓練でできるようになると思うのですが「やるぞ」と決めて椅子にすわったら、バーっとイメージが浮かんでくるようにしたいですね。昔曲などを書いていた時に、そのモードに入る、と決めたら一気に曲が浮かんできたので現在のクリエイティブでもそんな感じに持っていきたいです。
● 次回はビデオマガジン「ビガロ」について詳しく訊いてみます。乞うご期待!