そんな中ソフト開発というのは、自分の世界をデジタルで現実化できる非常に魅力的な仕事であるが、映画でいえば監督でありながらキャスティングや脚本家でもあり、多彩なイマジネーションとそれに対応できるだけの知識との両方を必要とする、ハードルの高い職業でもある。
今回は株式会社シノミクスにおいて「アクアゾーン」という一世を風靡しているリアルな熱帯魚の育成シミュレーションソフトの開発を、ここ10年ほど行っている風見清司氏にインタビューを試みた。
はじめに営業セクションがマーケティングデータを元におおざっぱな「こういうターゲットに対するこういうボリュームのソフトが欲しい」というものをあげてくるので、まずはそれに対する候補選択というかリサーチですね。この魚がいいとかこの魚は楽しいだろうとか。 それが決まったら内容を仕様書に落として、プログラマーさんとグラフィックさんに投げます。そこからキャッチボールを何度もして、画質のきれいなテクスチャーを、ユーザーのハンドリングを考えて圧縮したり、プログラムのデバッグを行ったりして完成まで持っていきます。 この間だいたい早ければ半年、長いと数年かかったりします。