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Q6:今回クラブで活躍するDJ/VJ用のエフェクターを開発された訳ですが、普段の自身の音と映像との関わり方を教えてください
於保氏(以下O)
 ロック系の音楽は以前から好きだったのですが、97年末あたりからKAOSS PADというパッドを使ったDJ用のエフェクターの開発に関わるようになってから、クラブやダンス系の音にもかなりはまるようになってきました。それまではクラブ系の音は実際に演奏している訳ではない、とちょっと敬遠気味だったのですが、そのあたりを機に、DJも上手い下手が当然あるし奥も結構深いんだな、と見方もかなり変わりましたね。それと当時OEMで映像関係の機器にも関わっていたので、その二つが融合して結局今回のKAOSS PAD ENTRANCERになったという感じです。
 
Q7:ENTRANCERはパッドを使った映像エフェクターという独特の形状な訳ですがその開発に至るまでの経緯やきっかけにはどんなものがありますか

栗原氏(以下K)
 始めはZ-1というシンセサイザーにXY軸を持ったパッドコントローラーが付いていたんです。そこでそのパッドだけを独立させて何かできないかという話になり、始めはサンプラーを考えていたんですね。しかし実際にいろいろなクラブに行ったりDJの方々に意見を伺ったりしていくうちに、エフェクターの方が必要とされているんじゃないだろうか、という話になって最初のKAOSS PADのリリースに至りました。その後ミキサーと融合させたKAOSS MIXERやKAOSS PADの後継機種にあたるKP2のリリースを経て、そこから今度は映像エフェクトはどうだろう、ということで今回のENTRANCERに至った訳です。ENTRANCERに関しては始めは映像だけで、という案もあったのですが、これで音と映像両方を操れるものにできたら素晴らしいだろうという思いで両方のエフェクトを同時に行えるものができました。

Q8:現在手がけているプロジェクト、もしくは最近/近い将来に手がけるものはどんなものですか

(K)具体的なプロジェクトについてはここでお話出来ないのですが(笑)方向としてはやはりSound Visualizationというコンセプトで、音と映像のエンターテイメントの方向でいきたいですね。音と映像が上手くコラボレーションできるように、今あるシンセサイザーやエフェクターをより幅広いものにしたり新しいものを開発したりして、最終的には空間の総合演出ができるような機材の開発を行っていきたいです。

(O)やりたいことは色々とあります。今できなくても技術やコストの問題というのは時間が必ず解決してくれるので、そられがクリアになるごとに新しいものを出して行きたいですね。

 
Q9:商品開発に興味があるという方や実際に目指している人にメッセージなどをお願いします

(O)一番大事なことは自分が何をやりたいのかをはっきりさせて、その熱意を持ちつづけることだと思います。自分達もここを目指してきたというよりは、好きなことを追求していて気づいたらここにいた、という感じです。

(K)仕事をしていく中で、他のことをやらなければいけない時もあるとは思うのですが、自分はこれがやりたいんだ、というのは常に持ち続けてそれを回りや自身にアピール、というかはっきり表現していれば、気づいた時はそこにいると思います。

PROFILE
於保尚博
株式会社コルグ 商品開発部所属
長崎県出身。87年コルグの開発系子会社に入社。5年ほど前にコルグに転籍。
栗原 徹
株式会社コルグ 商品企画室所属
東京都出身。92年入社。国内/海外勤務を経て、97年より現職。
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